私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
光に照された雨粒が傘を弾いて、とても綺麗だった。
「なに、なんなんだよ。そんな顔して俺を誘惑でもするつもりかこのみちゃんは。余裕で引っかかるぜ余裕で釣られてやるからな、どうだ情けないだろ。…ふざけんな誰にも見せんなよそれ」
「ひみつ、って」
「……what??」
「結多くんも…、ひみつ…したから…」
ひみつなんか、だめ。
誰にだって言えないことはあるだろうし、言いたくないこともあるだろうし、たとえば過去に関わっていた女の子とのお話とか。
そーいうのは私も秘密でいいと思う。
でも、あのカサブタ。
あのカサブタは結多くんから見せてくれたんだから、私の質問に答えてくれないのはいじわるだ。
「俺?してねーよ?いつだってオープンワールドが結多だもん」
「カサブタっ」
「…………」
「ほら、またひみつにする…」
私が言いたいことを理解すると、下唇を突き出して、複雑そうな居たたまれない顔をしてきた。