私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
高校生になって、早いもので3ヶ月。
4月は過ぎて、5月も過ぎて、6月も過ぎて、梅雨のじめじめした風が少しずつ初夏を匂わせてきた7月の、今日この頃。
「あるわけないよ~。付き合うとか…、私なんかには遠い話にしか聞こえないかも…」
とくに代わり映えもなく過ごしていたから、このまま今月も、だけじゃなく。
1年間そうなんだろうなって……思っていたの、だけれど。
「んなことねーわ!!!すぐ近く、すげえ近くにあると思いますけどね俺はっ!!」
「……えっ」
「あっ、ごめん。どうぞ続けて?お茶でも出そっか?女子トークってやっぱ飲み物から始まらね?
俺の飲みかけでいい?このみちゃん、いい?このみちゃん、どうぞ?」
「あ……、遠慮、しときます」
「あっは。くそ悲しみの結多(ゆいた)」
この男の子が、そうはさせてくれません。