私のこと愛しすぎだよ、結多くん。




「俺、なあ、頑張りなさいよ俺。今月しかねえのよマジで。この3ヶ月間でできたこと:名前で呼んでもらえてあたまを撫でました。……いったいぼくは3ヶ月間もなにをしていたの?寝てたの?おまえは保育園児なの?」



ぶつぶつと聞こえてくる独り言。

そういえば数日前も、朝から叫び散らかした結多くんは言ってたっけ。



「……7月に、なにかあるの?」


「いや、あるのってか、逆にないの。夏休みに入ったら余計疎遠になるし、もしかするとこのみちゃん側に変化があるかもだし。
そーなったら俺どーすりゃいいの。盗んだバイクで走り出すくらいには非行に走っちゃうね、たぶん」



私、なにしてるんだっけ。
なにをするために教室に戻ったんだっけ…。


委員会活動が終わったから、スクールバッグを取りに来たの。

帰りに駅前の本屋さん寄ろうかなって考えながら、帰宅するつもりだった。


そしたらクラスの人気者さんに、あたま撫でられてる……。


でも結多くんとここまで2人きりでちゃんと話したの、初めてかも。



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