私のこと愛しすぎだよ、結多くん。




「シャンプーなに使ったらこんなサラサラになんだよ…、撫でるたびに良い匂いするとか、もしかしてこのみちゃんいつもここにお花畑とか乗せてるの?」



……乗せてるわけない。

そんなことしたら蜜蜂さんとか蝶々さんとか、いっぱい集まってきちゃって大変だ。



「と、とくに…、特別なものは…」


「え、じゃあ地毛からってこと?あっ、そーだった天使だった。つまりはこれ天使の羽ってことじゃん。
…飛んでかないでねこのみちゃん。そのときは結多も連れて行ってというか、しがみついてやるけどさ」



やめてほしいのに…。

その変なあだ名、いつもみんなが居るところでも当たり前のように言ってくるけれど。


複雑だし、恥ずかしいし、いろいろ怖い。


でも、彼だから大丈夫なんだろうなっていう安心も、ちょっとだけ。



「このみちゃん、おさげ髪は中学のときも?」


「え…?あ…、うん」



低い位置でまとめた二つ縛り。

下ろして靡かせることが逆に大人っぽく感じてしまって、中学生のまま高校生になっちゃった感じ。



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