私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
わかっちゃったんだけど、俺とこのみちゃんの前世どう考えてもアダムとイブ。
「……う、そ……」
誰にも見せられないと思った。
できることなら今すぐグシャッと握りつぶして、どこかに捨て去ってしまいたい。
たかが小テスト。
小テストで良かった。
そう思おうとはしたけれど、19点という、今まで取ったことのない赤文字を受け入れることなんて。
「追試はありませんが小テストの結果も成績に響かせますからね。どうせ小テストだから、とは思わないように」
先生の追い討ちは私だけに言われているものなんじゃないかと錯覚さえしてしまいそう。
苦手科目というわけでもない、とくべつ難しかったわけじゃない。
ただ、なくしちゃったの。
今までずっと私にパワーをくれていた1枚を、私はどこかで落としちゃったみたいで。
「あのー、スパイシーチキン頼んだんですけど…、これ焼き鳥ですよね?」
「……っ!すっ、すみません…!すぐにスパイシーチキンを───」
「いいですもう焼き鳥で。時間ないんで」
「いやっ、ですが…」
「どうせチキンのほうが値段高いし、問題ないでしょ?気をつけてくださいね次から」