私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
「さっきお巡りさん。このみちゃんを指して俺に“彼女さんのサポート頼んだよ”的なこと言ってたんだよねえ。そこで俺、はい結多。わかりましたと、答えました」
韻です、まるで韻。
すばらしいラップみたいになっちゃった。
そんなふうに本気で照れて喜んでいる結多くんに、もう断る理由なんかどこにもないような気がした。
「それにこのみちゃんだって今日、何回も俺のこと呼んでたでしょ」
「…き、聞こえてたの…?」
「言ったじゃん。俺にはこのみちゃんの声が聞こえてるって。もう脳波?そのレベルとかさすがすぎるぜ水篠 結多」
そうして、私が惹かれて“仕方ない”笑顔ひとつ。
この“仕方ない”ならいいかなって、自分の“仕方ない”がちょっとだけ好きになった。
「俺はこのみちゃんだけが大好き」
“だけが”
ずっとずっと欲しかった言葉。