私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
もちろんお風呂もトイレも一緒に行くよむしろ手伝わせてください。
「ごめん、このみちゃん。水篠 結多は今日から全教科の教科書忘れて登校することにしたから、一緒に見せてもらうねありがとう」
私がひっそりと、ひそかに悩んでいること。
結多くん迷言集を作ろうか、どうしようか。
完全に今日のこれは、ジャッジいらずの登録で間違いナシだ。
「えっ…」
「え?」
「………なにを、言っているのか…」
至ってシンプル、日本語の問題だ。
今日から教科書を忘れて登校することに……したから、とは。
>>>したから<<<
忘れることを、自覚している。
忘れることを、決意している。
そんな彼に私が教科書を見せることはすでに、結多くんのなかで決定事項なのだと。
「思うよ?俺もなに言ってんだって。改めたらそりゃあ思うよ。だからね、もう改めないことにしたの」
「………ええと、」
「とりあずだ、このみちゃん。これもう考える世界じゃねーのよ。感じる世界?いわゆるフィーリングの世界だから」
「ふぃ、ふぃーりんぐ…」
「わあ。発音から天使とか何事だよ」