私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
「い、行きたい…、あまり詳しくないけど……それでも良かったら…」
ふわりと、結多くんの目尻が下がった。
頑張ってる。
私、すごくすごく頑張ってる。
周りに悟られないように隠すことに必死で、それだけなの穂乃花ちゃん。
いつもよりぎこちなくなっちゃってるのは。
本当に本当にごめんね。
「…あまり詳しくないし、服のブランドとかもとくに拘ったりもしないから本当は退屈な思いさせちゃうかもで不安だけど、それでも行きたい。…だってさ、桐山さん」
………結多くん。
本当に超能力というかテレパシー、とうとう使えるようになってる。
私の実際の気持ちを感じ取って穂乃花ちゃんに伝えてくれた。
「もっ、もちろんだよ…!ありがとうこのみちゃんっ」
「…私もありがとう穂乃花ちゃん。すごく楽しみ」
「あ、これ控えめ姉妹の成長にパパ泣くやつだわ。歌っていい?白い光のな~かに~って、俺が歌うんかいっつってな」
ふふっと、気づけばまた穂乃花ちゃんと笑いあうことまで。
安心した様子の結多くんに助けられてしまっていることは、自分でも分かっている。
でも、そこに甘えることができるのは私の特権。
私だけでなく、自然と穂乃花ちゃんの背中も押してしまっているのが彼だ。