私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
残念とか、ふざけた性格とか、そーいうのはだめだよ。
「てかさ、朝比奈さんのことかなり気にしてるよね結多」
そんな会話を止めたくて出ようとしたのだけど、次に出てしまった新たな内容にまた、逃げる私。
ドア1枚が挟んだ先、どんな顔で彼女たちは話しているんだろう。
「…気にしてるってか、ふつーに狙ってんじゃない?」
「ふふっ、やっぱそう思う?」
どういう感じの、“ふふっ”だろう。
私の悪口をこれから言う準備運動なのか、それとも単純に微笑ましい…みたいな。
それにしても私が危機を感じていたように、やっぱりクラスの子たちにもそう見えてるんだ…。
「ほんとに付き合っちゃったらどーする?」
「んー、別にいーんじゃない」
男女が話しているだけでイコールで恋に繋がって。
仲良くしているだけで、「付き合ってるの?」に変わる。