私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
だから荒井さんは私のみに頼んできたのかもだけど、協調性や協力からはかけ離れてしまう気がした。
「男子たちはどうせ遊んでるでしょ。あんなの待ってたら、どんどん時間が過ぎてくだけです」
荒井さんが目を向けた先。
班行動など見向きもしない男の子3人がはしゃいでいる。
なにか虫を見つけているようだけど、お願いだから連れては来ないでね。
「そう…だよね」
むずかしい。
学級委員長だからしっかりしているのか、それとも元ある彼女の性質か。
なにを言っても一刀両断されてしまいそうで、気分は落ち込みぎみの私だった。
でも、結多くんは言っていた。
彼女は放課後、みんなの机を整頓してるって。
「あのっ、でもっ、私、荒井さんと一緒に───」
「朝比奈さん、はやく。ご飯が炊けなかったらカレーも食べられないし、遅くなったらそれこそ先生に迷惑がかかるんですよ」
「……わかり…ました」
朝比奈さんかわいそ~と、朝にもクラスメイトの女の子たちがクスクス笑ってきた。
他の班は女子3人というパターンもあるけれど、5班は私と荒井さんだけ。