私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
ぐいぐいと肘でつついてまで、野口くんを納得させてしまう。
「水篠くん、あなたのほうが危なっかしいと思いますけど」
「はっはーん。なに言ってくれてんのかな委員長さん。俺の前世が包丁だった話でも聞く?」
「……なんですかそれ」
「切れ味バツグンの出刃包丁だったもんねー」
太陽の光が注がれた荒井さん。
まぶしい光が照らしただけでなく、どこか染まらせた頬で結多くんを見つめていた。
ベッと舌まで出しちゃった彼は、たまたま通りかかった他クラスの女の子の視線までをも奪ってしまう。
「ってことで、このみちゃんと荒井。美味しいご飯頼むよ?俺ってルーより米を多く食べるタイプだから」
ヒラヒラと手を振って、飯盒とお米を持った私たちを見送ってくれる。
てっきり、私のほうに来るかと思っていた。
結多くんのことだから、「このみちゃんと米炊くのは俺しかいない」なんて言ったりして。
……うぬぼれてた自分が、とんでもなく恥ずかしい。