私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
「あっ、そ、そうなんだ…、」
「うんそーなの」
「き、キンモクセイの匂いが大好きでね」
「俺も大好きでね」
「……は、はい」
はやすぎる、返事が。
もう最初から決まってたんじゃないかってスピードで返ってくる。
じーっと見つめてくる、甘い眼差し。
くすぐったい気持ちは、結多くんがいるから倍で楽しいのかも……って、改めて思った。
「ふふっ。おいしいね結多くん」
ぱくっ。
またぱくっと、止まらない。
「あーー、写真撮りてえ待ち受けにしてえ」
……またそんなこと言ってくる。
当たり前のように言うものだから、逆に周りのツッコミが追い付かないだけなんだ。
もはや過ぎゆく時間と同じ扱い。
「おっ、いいな!撮ろうぜ結多!」
「なんでお前だ。なんでスマホ開くたびに野口と目ぇ合わせなきゃなんねえの1回おまえを挟まなきゃなんねえの罰ゲームかよ」
「いやいやみんなでに決まってんだろ!!オレも無理だわそんなの…!!じゃなくてふつーに写真!今っ!」