私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
恋愛ドラマも見たりはするけれど、そこまでのめり込まないタイプ。
この人!っていう、いわゆる推し?のようなものを持つ感覚も、まだよく分からないのが私。
だからこそ恋愛話は、そこまで得意じゃなかったりする。
「たぶん…、好きになった人がタイプ、みたいな感じなのかな…?私の場合」
「まっじで。ちくしょう回答まで天使すぎて涙出てきた…」
「…………」
隣の席では、イヤホンを耳にはめている(はずの)男の子が机に突っ伏すみたく何かに悶えていた。
そんな結多くんのイヤホンコード、机に乗っかったスマートフォンとは繋がっていないように見え……る。
ので、あなたはいったい、なにを聴いて涙を流しているのでしょうか…。
「じゃあじゃあ、このみちゃんって初恋いつ?」
ガタッッ!!
わりと大きめに響かせてまで、隣の席の男の子、今度は立ち上がる。
「……とんでもねえ話題きたな。いきなりか…、よっしゃ覚悟決めろ俺」