私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
「え…、雨……?うそでしょ…」
あんなにも朝からお昼にかけては晴れていたのに。
気づけば曇った空。
ポツリポツリと降ってきては、とうとう強めに落ちてきた。
「折り畳み持ってきて良かった…、みんな平気ですか?……あ、先生から一斉メールです」
班長でもある荒井さんのスマートフォン。
確認した彼女から知らされたことは、集合場所に戻る時間の繰り上げ通知だと。
「スタンプラリー中止ですって。はやく戻って来いって、先生から」
「は?まじ?でもこれさ、通り雨っぽくね?」
「とにかく!先生が言ってるから!急いでください…!」
「えーー、真面目かよー」
さすが学級委員長。
先生の言うことは絶対。
迷う素振りすらない。
他の生徒たちなんかは寄り道が当たり前精神だろうから、ここまでテキパキしているほうが不思議にも見える。
「うっ、やべえ腹いてえ…」
「えっ、水篠くん?」
「だれか俺のカレーにピンポイントで下剤入れやがっただろ……、ごめん委員長たち、先に戻ってて。俺ちょっとそこで出してくことにしたから」
「…………」