私のこと愛しすぎだよ、結多くん。




変だよね。

幽体離脱した結多くん、そんなことしなくていいのに……って思っちゃった私は。


このみ、って。
初めて呼び捨てをされた。

結多くんが結多くんじゃないくらい、男の子に見えた。



「あっ、ごめんこのみちゃん…!からだ冷えてない?喉は大丈夫?風邪のときってさ、感情的にならないほうがおかしーんだよ。
このみちゃんの怒った顔も俺からすれば天使のくしゃみ、みたいな。そんな感覚だから」



また、やさしく温めてくれる。

ここまで近づかれても嫌じゃない。
こんなに触られても、嫌じゃない。


結多くんならなんでも聞いてくれるんじゃないかって、そんなことまで。



「ほんとうは…、ほんとうは、今日……、結多くんと一緒にカレー、作りたかった…」



作ってくれると思っていた。

荒井さんにあんなことを言われるくらいなら、結多くんと作ったほうがぜったい楽しかったのにな…って、最低なことまで思っちゃってる。


せっかくまた、結多くんが気をつかってくれたのに。



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