私のこと愛しすぎだよ、結多くん。




「俺にとってこのみちゃんは……特別のなかの特別。って表現も軽く思えるくらい、言葉になんねえくらいだよ」



難しいことなんか考えなくていーんだよ。

ただこのみちゃんはね、俺にというか、俺だけに愛されすぎてればいーの───。



「あ、それから。ここだけの話。ここだけの話よ?…俺たちの世界は続かないとかほざきやがって来ましたけども、
このみちゃんとの来世の計画まで立ててる俺にはなーんにも通じないナイジェリア語とかにしか聞こえねーよそれ」



風邪の影響か、言葉の影響か。

じわりとまぶたを濡らした雨を、結多くんがそっと拭ってくれたような気がした。



「世間では蛙化現象?的なことで騒いでたりもするけど、俺からすればその言葉自体がもうアラビア語すぎて解読不能。
それに理解してなくても生きてく上で支障はないからオッケーでしょ?」



うん、うん。

うれしいことを言ってくれていることだけは、わかる。



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