私のこと愛しすぎだよ、結多くん。
「よし、じゃあ最初の席替えはこれで決定な。仲良くやるように」
「「「はーい」」」
わざわざ俺と同じ高校に行きたいからという理由だけで、この高校を受験した同じ中学出身の同級生が何人もいた。
もちろんクラス内にも見慣れた顔がちらほら存在したが、初めての席替えにて。
俺の隣に座った女の子は、大人しそうな初めましてフェイス。
────ええっと確か……朝比奈さん、だっけ。
「朝比奈さん」
「っ!」
入学式のあと、初めて行われたホームルームの自己紹介で。
いちばん短くて小さい自己紹介をしてた子っていう印象だけで頭に入ってた俺、素晴らしいよほんと。
名前を呼んでみると、まさか自分に声をかけられるとは思っていなかったのか、朝比奈さんの肩はビクッと跳ねた。
「あ、びっくりさせてごめん。俺の名前しってる?知ってるよね?うんうん、さすが朝比奈さんだよー」