ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
発熱の代償/その10
剣崎
「私の質問に答えてよ!麻衣のこと、コントロールできてないんでしょ?」
「今まで、麻衣はこっちが考えもしないことをやらかしてきた。この後も、正直わからない。そういう事だ」
「じゃあ、まだ終わらないじゃない!安心できないんじゃないのよ!私とアキラが警察から戻って、二人でまた会えるようになっても…。もうやだよ、何とかしなさいよ!麻衣にはもう余分なことさせないで!」
このケイコにヒスまで起こされるとは…、参った
「ケイコ、だから恋人をお前がしっかり”コントロール”できれば、お前らには何もない。そうだろ?それに、いくらなんでも麻衣もこれ以上、何を企むってんだよ。たかが知れてるだろう。100%はないと言ってるだけだ。お前も落ち着けば、そう思うさ」
俺は話の矛先を変えざるを得なかった
...
実際、俺にしたってこれ以上のことがなければ、それで終われるんだ、やっと
こいつら3人には、今以上の傷を負わせたくない
何を勝手なと思われるだろうが…
ケイコ、お前と同じなんだよ、そこは
...
それにしても、麻衣とケイコのじゃじゃ馬2人だけじゃなくて、香月のヤツにまでやきもきさせられてるって訳か
全く、俺は何やってんだって思えてくる
自分で言うのもなんだが、建田さんの2代目体制を短期間でひっくり返せたのは、俺がいたからだ
その俺が、相和会をコントロールできても、ガキ3人の監視できりきり舞いだ
ははは…、思わず笑いが出るよ
...
もう、車の中で2時間近くか…
変な表現だが、車内には涙の臭いで充満してる
おそらく、オレはこの臭いを忘れることはないだろう
そろそろ、決まりをつけよう、ケイコについては
さっきの雨は既にあがって、一転、炎天下のようだ
外で待機の能勢も気の毒だしな
いい加減、切り上げないと…
...
ケイコは、サツが迎えに来る前に出頭すると言った
あんなに泣き狂ってても、この性根だ、あっぱれと言うほかない
しかし…、麻衣もそうだが、コイツらは真正面で生きていくことの、”本当の”意味を、理解してるのだろうか
現実がどんなに残酷で、いい加減なものなのか
かわすことや、適当にやり過ごすことを受け入れられない人間の前に、現れる”モノ”の正体を…
...
ケイコは賢いし、柔軟性もある
今後の段取りは、わずかな説明で飲み込んでくれたようだ
コイツの涙は、もう、二度見たくない
それがこの場での、偽らざる俺の思いだった
剣崎
「私の質問に答えてよ!麻衣のこと、コントロールできてないんでしょ?」
「今まで、麻衣はこっちが考えもしないことをやらかしてきた。この後も、正直わからない。そういう事だ」
「じゃあ、まだ終わらないじゃない!安心できないんじゃないのよ!私とアキラが警察から戻って、二人でまた会えるようになっても…。もうやだよ、何とかしなさいよ!麻衣にはもう余分なことさせないで!」
このケイコにヒスまで起こされるとは…、参った
「ケイコ、だから恋人をお前がしっかり”コントロール”できれば、お前らには何もない。そうだろ?それに、いくらなんでも麻衣もこれ以上、何を企むってんだよ。たかが知れてるだろう。100%はないと言ってるだけだ。お前も落ち着けば、そう思うさ」
俺は話の矛先を変えざるを得なかった
...
実際、俺にしたってこれ以上のことがなければ、それで終われるんだ、やっと
こいつら3人には、今以上の傷を負わせたくない
何を勝手なと思われるだろうが…
ケイコ、お前と同じなんだよ、そこは
...
それにしても、麻衣とケイコのじゃじゃ馬2人だけじゃなくて、香月のヤツにまでやきもきさせられてるって訳か
全く、俺は何やってんだって思えてくる
自分で言うのもなんだが、建田さんの2代目体制を短期間でひっくり返せたのは、俺がいたからだ
その俺が、相和会をコントロールできても、ガキ3人の監視できりきり舞いだ
ははは…、思わず笑いが出るよ
...
もう、車の中で2時間近くか…
変な表現だが、車内には涙の臭いで充満してる
おそらく、オレはこの臭いを忘れることはないだろう
そろそろ、決まりをつけよう、ケイコについては
さっきの雨は既にあがって、一転、炎天下のようだ
外で待機の能勢も気の毒だしな
いい加減、切り上げないと…
...
ケイコは、サツが迎えに来る前に出頭すると言った
あんなに泣き狂ってても、この性根だ、あっぱれと言うほかない
しかし…、麻衣もそうだが、コイツらは真正面で生きていくことの、”本当の”意味を、理解してるのだろうか
現実がどんなに残酷で、いい加減なものなのか
かわすことや、適当にやり過ごすことを受け入れられない人間の前に、現れる”モノ”の正体を…
...
ケイコは賢いし、柔軟性もある
今後の段取りは、わずかな説明で飲み込んでくれたようだ
コイツの涙は、もう、二度見たくない
それがこの場での、偽らざる俺の思いだった