ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
終われない夏の日/その4
追川



オレの”あらすじ”など聞き慣れている局長の佐田さんも、今回は7割程度話したところで、もうウンザリって顔だったわ

だが、局長の”それ”こそが、リアリティーを受け止めたリアクションというのも、オレは承知している

まやかしではない、モノ本の追及ネタと感じてる証左だ

要は手応えあったということになる

まあ、それだけでっかい風呂敷って訳だ

一度広げたらたたむのは至難の業…、というか無理だろう

言ってみれば、後戻りはできないということに等しい

この時点で、局長はこのネタがどれだけ危険かを見切ったんだ

フン、ここは行くしかないさ!


...



今回のツボは、県警を超えた警察組織全体の思惑だ

いや…、今回は公安、政府中枢といった横の屋根や、核になる各主要部署も、”暗黙”という意思表示で相乗りしてる

そのことについて、すでにオレは、確信に近いところまでの手ごたえを得てる

いずれ近い将来、暴○団は、家も借りられなきゃ、銀行で口座も開けない

こんな途方もない、法整備の青写真ができているんだ

にわかに信じ難いのだが、国の中枢では、大枠ながらタイムテーブルに乗ってるらしい

何のためか?

広域組織を封じ込めるため、可能なら撲滅せしめる、極めて有効な一手にしたい…

ズバリ、単純なものだ

そして、その延長線上になるのが、長年にわたり広域暴○○に屈しなかった、独立系の勇である相和会を生き残らせるということ

無論、”今のまんま”ではなく、取り締まる側からのコーディネートが施された上というイメージだろう

いわば、非合法組織・暴力団組織をアメリカのようにシンジケート化させないための、ガス抜き的モデルケースと目しているんだ

そんな矢先、この夏にカリスマの極道、相和会会長の相馬豹一が死んだ

だが、”当事者”達は、武闘派の先頭に立って相和会を支えてきた、矢島体制を早くから選択していた

やっこさんらは長い時間をかけて、相和会を継ぐべき者たちに、じっくり”シグナル”を送っていたに違いない…

これが相馬と相和会を追い続けてきた、俺の見立てだった


...



そして、連中の共同作業はこの夏、一気に始まり、あっという間に当面の初期目的を完了させた

建田は2代目に着いたが、何と1か月ももたず失脚、今は刑務所の中だ

その舞台裏で、一定の役割を演じていたのが、二人の女子高生…

そこには、違法薬物という妖しいアイテムが跋扈していたと

さらにだ…、彼女たちに直接”ソレ”を嗜ませたのは、なんと、相和会のトップ、相馬本人だったようだと…

この夏が終わる前に、裏を取って世間にすっぱ抜く!

いまや爆弾雑誌の名が轟く、「週間実話キャッチ」の紙面でな

その為には、その2人の女子高生だ

なんとしても、彼女たちの証言を得ないと…






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