ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
オリジナル原稿版/相馬豹一葬儀シーン~麻衣とケイコの対峙とその真実/その15
ケイコ



「えー!私が建田さんにですか?あのう…、あの人は相和会の大幹部ですし、私、面識もありませんし…」

「いいか、この遣いはお前にしかできないんだ。お前は感性が鋭いし頭の回転が速い。なぜ矢島さんと俺がお前にってことだったのかは、”そいつ”を建田さんが受け取った”その場”で、概ね理解できると思う」

「はあ…」

いや、意味不明だって…

...


「…この封書の中身は”通告書”になる。今日、会長の葬儀を欠席した理由を求める、言わば葬儀委員長の立場にある矢島さんからの出頭要請だ。このメモに書いてある場所には建田さんがいるから、今から届けてもらいたい」

「でも…、届けるって言っても、実際にあちらは受け取りますかね?私みたいな子供が…、こんな重要な書面を預かってきたからって…、組の偉い人が…」

「お前は、ただ渡せばいい。亡くなった相馬会長から遠縁にあたる娘として、この1年間、力を与えられてきたお前は俺から”直接”遣わされてということでな。そのことは、静岡の明石田さんが告げてくれてるから。建田さんも明石田の叔父貴の前でだ、それ持って帰れとは言えない」

「まあ、そうなるんでしょうが…」

私がはっきりしない相槌打ってると、私の後ろから、野太い大きな声が届いた

「…剣崎、じゃあ、俺は行くぞ!」

「叔父貴…、よろしくお願いします」

ひょっとして、伊豆の明石田組長か…






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