ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
オリジナル原稿版/相馬豹一葬儀シーン~麻衣とケイコの対峙とその真実/その16
ケイコ



「…どうやら、ピンときたみたいだな。今の人が伊豆の叔父貴だ。これからその、建田さんが経営するライブハウスに向かってくれる。お前が到着した時は、下話はできてるってことだよ」

なるほど…

さすが剣崎さん、段取りは完璧ってことか

「わかりました。でも…、私一人じゃあ…」

ここで剣崎さんはニヤリと笑ったわ

待ってましたたとばかりにさ(苦笑)

...


「それは安心しろ。お前をここまで送ってきた、能瀬のところの二人をつけるから。建田さんのところには三人で出向くんだ」

タクロウさんとシンゴさんか…

「じゃあ、3人なら…」

「建田さんは、お前と麻衣の区別もついていないよ。ただ生前の会長が女子高生二人を血縁だと宣言して面倒見てると…、そこまでの認識だろうな。矢島さんと俺はそれを読み込んだ上で、お前に遣わすってことだ」

「正直、よく分かりません。意味が…」

あれ…?

今度は隣の能勢さんもくすくす笑ってる…

...


「はは…。まあ、そうたいそうに構えるな。流れに任せて、余分なことは言わなくていい。ただし、この能勢からは同行する二人に、お前の運転手ではなく、その封筒を一緒に届けるようにと言い遣ってる。仮に向こうで”その件”が出ても、お前は”無視”してればいい」

なんだか、聞けば聞くほど訳わかんないや

まあ、剣崎さんは向こうへ着けば理解できるって言うけど…

でもさ…

やくざの親分にそんな大事な手紙届ける場所がさ、ライブハウスって…、あり得ないでしょ??

ええと…

”マッドハウス”って店だっけか…





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