ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
その5
「おお、間宮。中は親分たち、二人だけか?」
「ああ。…親分、かなり機嫌が悪いぜ。中へはお前が頼むわ」
「…わかった」
言わば”同期”の浅田と間宮は、ケイコら3人には聞こえないくらいの小声で”段取り”を終えた
「…お嬢さん、この部屋の中には建田の親分と、伊豆の明石田組長さんのお二人がいらっしゃいます。用件はあなたが直に伝えて下さい」
「わかりました」
浅田はケイコにそう確認を取ると、今度はタクロウとシンゴの方を向いて、ガラッと口調を変えた
「お前たちはここから挨拶だけだな、たぶん…。外に出てろって、そう言われると思う。念のため言っとくが、建田親分はご機嫌が極めて悪い。承知しておけ」
「はい…」
浅田にそう言い聞かされた二人は、ゴクリとツバをひと飲み込みしていた…
...
「失礼します!」
「おー、浅田か…」
「はい。ただいま見えましたが…。中へはお嬢さんだけいいですか?」」
「いや、3人とも入れろ」
「はい…」
浅田は廊下の脇で立っていた”二人”に会釈したあと、ケイコに向かって声をかけた
「では、3人で中へどうぞ」
ケイコはタクロウとシンゴに目で合図し、先頭を切って室内に入っていった
「失礼します…」
「いやあ、お嬢さん、わざわざすまなかったですね。ちょっと待ってて下さいね。まず、そっちの連れを先に済ますんで…」
建田はイスに座ったまま、部屋のドア付近に立っているケイコに大きな声でそう告げた
あくまでで穏やかな口調で
...
「…おい、そこのお前ら!今日ここへはよう、能瀬に何と言いつかってきたんだ?」
一転して、建田は詰問調の激しい口ぶりとなった
「あの…、親分へ、て、手紙を届けるために…」
タクロウがここまでぼそぼそと話したところで、建田は強引にその言を遮り大声でまくし立てた
「おー、そうか!その手紙を届けにきたお嬢さんをここへお連れする運転手アンド、未成年者の付き添いってことで言いつかったんだな?」
「…」
タクロウとシンゴは条件反射的に、今日何度目かの顔を見合わせる行為に至っていた
そんな二人を”見届けた”建田は、すかさず部屋の奥から怒鳴り声で言質を迫った
「そうなんだなー!あー?」
「あ、はい…!!」
二人はその勢いに圧倒され、次の瞬間には声を揃えてそう答えていた…
...
「そうかあ…、よかったな、ふふ‥(薄笑)。もし、この建田に大事な授かりものを手渡す役目なんかをよう、組の杯もまだのガキんちょに遣わしたとあっては、能瀬にはケジメを取ってもらわねえといけなかったからなあ…」
「…」
「そうなると、お前らの体にもそれなりの手を加えることになったしな。今日は忙しいんで、助かったわ。ハハハ‥」
まだ組員ではないタクロウとシンゴにも、建田の言っている”意味”は、この時点で100%理解できていた
「いいか…!戻ったら能瀬にはしっかり礼を言っとくんだぞ。運転手で遣わしてくたので無事に帰れましたたとな!」
「は、はい…!」
直立不動の二人は、ここでも声を揃え、元気に返事をすることができた
それは、ごく自然に…
...
「よし…。なら、さっさと消えな。お嬢さんとの用件が済んだら声をかける。間宮ー!その間、そいつらにはバーカウンターで何か飲ませとけ」
「承知しました…。じゃあ、行くぞ…」
間宮は室内に入って二人の腕を掴むと、そそくさと室外へ連れだして行った
...
「…お嬢さん、お待たせしてすまんな。さあ、こっちにいらっしゃい。おい、浅田…、アイスコーヒーでもお持ちしろ!」
建田から手招きで奥に呼び寄せられ、ケイコは明石田の横に立った
"うわー、私ひとりかよ。大丈夫かな…??"
「おお、間宮。中は親分たち、二人だけか?」
「ああ。…親分、かなり機嫌が悪いぜ。中へはお前が頼むわ」
「…わかった」
言わば”同期”の浅田と間宮は、ケイコら3人には聞こえないくらいの小声で”段取り”を終えた
「…お嬢さん、この部屋の中には建田の親分と、伊豆の明石田組長さんのお二人がいらっしゃいます。用件はあなたが直に伝えて下さい」
「わかりました」
浅田はケイコにそう確認を取ると、今度はタクロウとシンゴの方を向いて、ガラッと口調を変えた
「お前たちはここから挨拶だけだな、たぶん…。外に出てろって、そう言われると思う。念のため言っとくが、建田親分はご機嫌が極めて悪い。承知しておけ」
「はい…」
浅田にそう言い聞かされた二人は、ゴクリとツバをひと飲み込みしていた…
...
「失礼します!」
「おー、浅田か…」
「はい。ただいま見えましたが…。中へはお嬢さんだけいいですか?」」
「いや、3人とも入れろ」
「はい…」
浅田は廊下の脇で立っていた”二人”に会釈したあと、ケイコに向かって声をかけた
「では、3人で中へどうぞ」
ケイコはタクロウとシンゴに目で合図し、先頭を切って室内に入っていった
「失礼します…」
「いやあ、お嬢さん、わざわざすまなかったですね。ちょっと待ってて下さいね。まず、そっちの連れを先に済ますんで…」
建田はイスに座ったまま、部屋のドア付近に立っているケイコに大きな声でそう告げた
あくまでで穏やかな口調で
...
「…おい、そこのお前ら!今日ここへはよう、能瀬に何と言いつかってきたんだ?」
一転して、建田は詰問調の激しい口ぶりとなった
「あの…、親分へ、て、手紙を届けるために…」
タクロウがここまでぼそぼそと話したところで、建田は強引にその言を遮り大声でまくし立てた
「おー、そうか!その手紙を届けにきたお嬢さんをここへお連れする運転手アンド、未成年者の付き添いってことで言いつかったんだな?」
「…」
タクロウとシンゴは条件反射的に、今日何度目かの顔を見合わせる行為に至っていた
そんな二人を”見届けた”建田は、すかさず部屋の奥から怒鳴り声で言質を迫った
「そうなんだなー!あー?」
「あ、はい…!!」
二人はその勢いに圧倒され、次の瞬間には声を揃えてそう答えていた…
...
「そうかあ…、よかったな、ふふ‥(薄笑)。もし、この建田に大事な授かりものを手渡す役目なんかをよう、組の杯もまだのガキんちょに遣わしたとあっては、能瀬にはケジメを取ってもらわねえといけなかったからなあ…」
「…」
「そうなると、お前らの体にもそれなりの手を加えることになったしな。今日は忙しいんで、助かったわ。ハハハ‥」
まだ組員ではないタクロウとシンゴにも、建田の言っている”意味”は、この時点で100%理解できていた
「いいか…!戻ったら能瀬にはしっかり礼を言っとくんだぞ。運転手で遣わしてくたので無事に帰れましたたとな!」
「は、はい…!」
直立不動の二人は、ここでも声を揃え、元気に返事をすることができた
それは、ごく自然に…
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「よし…。なら、さっさと消えな。お嬢さんとの用件が済んだら声をかける。間宮ー!その間、そいつらにはバーカウンターで何か飲ませとけ」
「承知しました…。じゃあ、行くぞ…」
間宮は室内に入って二人の腕を掴むと、そそくさと室外へ連れだして行った
...
「…お嬢さん、お待たせしてすまんな。さあ、こっちにいらっしゃい。おい、浅田…、アイスコーヒーでもお持ちしろ!」
建田から手招きで奥に呼び寄せられ、ケイコは明石田の横に立った
"うわー、私ひとりかよ。大丈夫かな…??"