ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
海への誘い/その3


「それで、いついくのよ?場所はどこ?」

「再来週の土日に千葉の九十九里。陽子たちも来るって。おけいが行けば、7人かな」

薫が答えた。

「再来週か…」

ケイコが右手で頭をかきながら、呟いた。

「都合悪い?」

絵美がケイコの顔を覗き込むように話しかける。

「うん、大丈夫。入りそうな予定は、まだはっきりしないから。行くよ」

「ほんとー、よかったね」

薫が絵美にホッとしたような表情で言った。




「じゃあさ、これから水着見に行かない?去年までの、ちょっときつくなったから、買いたいんだよね。かわいいやつ」

すかさず、妹の美咲がニヤニヤしながら、口をはさむ。

「どんなの買うの-?お姉ちゃん、スケスケのやつとか?」

「そんなの買うか!やっぱり、ナンパされやすい派手な色だな、ビキニで」

美咲はまたニヤニヤしながら、

「ぺちゃぱいでも、色っぽい水着着るとナンパされるのー?」

「やかましい!ガキは犬の世話でもしてろ。じゃあ行くか」

ケイコが二人を誘うと、薫と絵美は同時にうなずいた。

「美咲、お母さんに言っといて。出かけるって。それからチャリンコ借りるわ」

そう言うと、3人は足早に出かけて行った。



「せわしい人だねー、お姉ちゃんは…」

妹の美咲はジョンの首をさすりながら、こう言った。

ケイコがアキラと出会う2週間前…、ケイコの家の庭先での出来事であった。




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