ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
アキラが授かったロック界の大御所からの言葉③




「今から思えば…、初代ローラーズは自らで、もう一つのロックの領域を創造しちまったのかも知れない。ココの小屋で…。俺の解釈では、この時点で、もうマッドハウスはロックの聖地に至っていたよ…」



(西の九州に並ぶロック東の聖地…。オレがここに辿り着く以前から、ココはそんな空気を醸成していたのかよ!)



「…やがて口コミで客が増え、音楽雑誌に取り上げられるとロックス好きの人間が全国から、マッドハウスに集結してきた。さらに、ココのステージに上がりたいと願うバンドやソロメンバーも、引っ切り無しにな…。しかし、建田さんはあえて、ローラーズ以外のアマチュアをマッドハウスに受け入れなかった」



「石田さん…。オレ、もうその時にはココに…」


「うん、そうだな。…結果的に建田さんのその方針は、マッドハウスをロックの新たな聖地にした要因になったと思う。建田さんの才覚はさすがだったよ。そんな最中、赤子ちゃんのアドリブでアキラ君をローラーズの見習いメンバーにしちゃった訳だ(苦笑)。それがきっかけで、補欠要員としてアキラ君が歴代のローラーズに参加することなったんだよな…」


(全国から腕に覚えのあるアマチュア連中を撥ね退けて、ギターなどいじったことのないオレがローラーズの補欠要員に…。今から思い返しても、夢を見ているとしか思えないよ…)





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