ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
それぞれの思惑/その6
タクヤ


どうやら大丈夫そうだな

しかしいろいろやってくれるよ、あの猛女

冗談じゃないぜ、アキラだけとか

あの二人できてるんじゃないのか

だとしたら相当、気持ち悪い取り合わせだけど

アレの時を想像すると吹き出っしゃうな、へへへ

とにかく、今回の話は外せない

もう後、ないしな

プロのクチが拓けるっていうから来たんだ

でなきゃ、こんな場末の小屋に誰が好んでって話だ

...


まあ、大阪が終われば何とかなる

どうにでも

オレたちは必ずやってやる

ずっと、この時を目指してきたんだからな

アキラさんには悪いが、アンタは無理だ

ここでしかライブやってないんじゃ話にならない

脱落するのは目に見えてる

遅いか早いかだけの問題だ

なら、早い方がいいに決まってる

お互いに

ただ、今はあんたが必要なんだ

なんとしても

では、帰りを待ってる

海のクラゲに気を付けてくれ



…その週末、アキラは千葉の海でケイコと出会うこととなる。
そして、マッドハウスは”迷宮の出口”となって、この夏、相馬豹一と連れ立つかのようにその姿を消す。
かくて、ケイコとアキラの互いのターニングポイントは道を決し、本郷麻衣という強烈な個性が再び爆発…、東京埼玉の都県境は日本を二分するヤクザ世界をもボーダーレスさせた猛る熱い果実たちの群像物語は静かに第二幕を切って落とした…。




< 67 / 221 >

この作品をシェア

pagetop