ヒートフルーツ【特別編集版第1部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
果実たちの新たなる発熱/その7
ケイコ


アキラ、私の話が終わっても黙ってる

あきれてるよね、当然だよ

普通じゃ信じられないよ、こんな女子高生いるなんて

「正直言って、信じられないよ、こんなこと」

ようやく口を開いて、こう言ったアキラ

そうだよね、私、アキラの彼女失格だね

もう、悲しくなっちゃって

やっぱり言わなきゃよかったかもって

...

しばらく沈黙が続いた

その間、私たちは下を向いていて、目を合わせなかった

いきなり、アキラが缶コーヒーの栓を開ける音が響いた

そして勢いよく一口飲んでから、こっち向いた

「よし、オレ、最後まで付き合うよ。ケイコちゃんに」

えっ…? 思わず目が点になった

だって、私と最後までって…

下手したら警察沙汰だし、やくざモンからは狙われるかもだよ

アキラは私も麻衣もクスリやめればいいって

とりあえずは、それで突破口になるって

相和会も今、跡目でいろいろ様子見だからかえって好都合だって

目から鱗だった

まあ、そういうことは、ある

で、一気にジーンときちゃって目が潤んできた

この人、なんて人なんだ

二人はにっこり笑って、しばらく顔を見合わせていた

ありがとう、恐縮だけど、”最後”まで付合ってね

絶対…




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