噂の〝クズ〟に溺れて。


普通じゃありえない、
距離まで、近づいたところで。



「ん。まー、いーや。いつ、キスする?」



........................はっ!?



耳を疑いたくなるような言葉。



「ゎ、私、そーいうのじゃないんでっ‼︎」



そう言って、
その男の子から距離を取った私。



すると、男の子の後ろから。



「久住くぅ〜ん、続き、まだ?」



甘ったるい声の女の子の声が聞こえて来た。



ん?いま、〝久住くん〟って............?



まっ、まさかこの人って、
噂の〝クズ〟なんじゃ..................



ボヤボヤ考えて、そこまで思ったところで。



──────グイッ!



と、引き寄せられた私の体。



「ごめんね、俺。
〝次の標的〟見つけちゃったから」



わざとらしく、
私の頬に顔を寄せながら、久住くんが言うと。



女の子は、割り切ったような顔で、
何も言わずに、理科室を出て行った。



えっと、これは.........なに?



〝クズ〟の次の標的って!?



言葉の意味が、
私には、分からなかった.....................


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