吸血鬼の幼なじみは私だけに甘い。
***
学校を出て10分ほど歩いたところ。
たどり着いたのは、私の家.........ではなく。
お隣の、澄にぃと斗帷くんの家の前。
わざわざ一緒に帰る必要あった?と思っていると。
「..................いまね、あいつ、死にかけてるよ」
そう言って、ニコリと笑う澄にぃ。
「.........ぅ、なに、その悪魔的な笑顔‼︎」
笑顔で言うようなことじゃないことを、
笑顔で言う澄にぃに、ついそんな言葉が出た。
「だって、ほんとのことだし?」
〝しゃーないじゃん?〟みたいな顔する澄にぃ。
私だって、ずっと、
斗帷くんの様子が見たかった。
だけど...........................
「ぅ、でも私、接近禁止令、だし、」
私じゃ、どうしようも出来なかったのに。
「........................とりあえず、きて、」
澄にぃに促されるまま、
私たちは、華原家へと足を踏み入れた。