吸血鬼の幼なじみは私だけに甘い。



だけど、私も気持ちを伝えたくって。



「............っ、私だって、すき、なのに、」



勇気を振り絞って、そう伝えてみたのに。



そんな私に、
あんまり反応しないまま斗帷くんは。



「だから、タブレットはほとんど効かなくて、
............ゆるに気持ち伝えて、貰おうって、
何度もそう考えたことだっていっぱいある」



〝何度も何度も〟考えたって、
そんな顔のまま言葉を繋いだ斗帷くん。



「..................でも、出来なかった、
俺はやっぱり、ゆるが大事だから、貰わない」



斗帷くんから、聞こえたのは、
〝私が大事だから、貰わない〟って言葉。



その言葉が聞こえた瞬間、
私の心はぎゅっと苦しくなって...............


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