吸血鬼の幼なじみは私だけに甘い。
「でも、俺は、」
「っ、ぅ、〝でも〟じゃないもんっ‼︎」
せっかく、抱きついてるから、
〝吸血欲〟ってやつを出して。
飲んで欲しいって思ってるのに..................
「.........、俺は、ゆるを傷つけたくない、」
そう言って、頑なに、
吸血しようとしない斗帷くん。
「.........っ、ぅ、吸血、されない方が傷つく、
と、斗帷くんが吸血しないと絶交だもん、」
ひどいこと言った自覚はあった。
でも、それぐらい、
飲んで欲しいって思ってるから。
抱きついたまま、
ぎゅっと、斗帷くんの服を握った。
私の気持ち、届いてって願って..................