あなたの子ですよ ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~【短編版】
そのため神官たちは、ウリヤナに魔力を封じた魔石をいくつか持たせてくれた。これがあれば、魔力のない者、魔力が弱い者であっても、魔石の魔力を用いて簡単な魔法を使える。
移動中に何かあったときに使いなさいと、彼らは口にしていた。
ガタガタと馬車は悪路を進んでいく。硬い椅子にお尻は痛くなる。そんな不規則な揺れは、うつらうつらと眠りへと誘う。
休憩の間、馬車を引く馬は体力回復薬を飲ませられる。こうやって馬車馬は、昼間の間はわずかな休憩だけで何時間も馬車を引くのだ。そのため、馬車馬のごとくというのは、半奴隷的な立場を指す言葉でも使われていた。
太陽が半分ほど西側に隠れた頃、中継点のテルキの町についた。ソクーレに向かうには、あと二つの馬車を乗り継ぐ必要がある。
今日はテルキの宿で一泊する。
質素な宿であるが横になって休めるのはありがたい。あの母子も同じようにソクーレに向かうと言っていた。馬車の中では誰も喋らない。
男の子も声をあげるようなことはせず、母親に寄り掛かってうとうととしていた。あの年のわりには聞き分けのよい子だなと思って、ウリヤナも感心したものだ。
その分、休憩で馬車が止まると彼は外ではしゃぎ回る。ウリヤナに対しても、眩しいほどの笑顔を向けていろいろと話しかけてきた。
移動中に何かあったときに使いなさいと、彼らは口にしていた。
ガタガタと馬車は悪路を進んでいく。硬い椅子にお尻は痛くなる。そんな不規則な揺れは、うつらうつらと眠りへと誘う。
休憩の間、馬車を引く馬は体力回復薬を飲ませられる。こうやって馬車馬は、昼間の間はわずかな休憩だけで何時間も馬車を引くのだ。そのため、馬車馬のごとくというのは、半奴隷的な立場を指す言葉でも使われていた。
太陽が半分ほど西側に隠れた頃、中継点のテルキの町についた。ソクーレに向かうには、あと二つの馬車を乗り継ぐ必要がある。
今日はテルキの宿で一泊する。
質素な宿であるが横になって休めるのはありがたい。あの母子も同じようにソクーレに向かうと言っていた。馬車の中では誰も喋らない。
男の子も声をあげるようなことはせず、母親に寄り掛かってうとうととしていた。あの年のわりには聞き分けのよい子だなと思って、ウリヤナも感心したものだ。
その分、休憩で馬車が止まると彼は外ではしゃぎ回る。ウリヤナに対しても、眩しいほどの笑顔を向けていろいろと話しかけてきた。