あなたの子ですよ ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~【短編版】
さらに神官は言葉を続ける。
『聖なる力は近しい人間に移るとも言われています。一度、神殿で魔力鑑定を受けてもらえませんか?』
その一言がきっかけとなり、コリーンの周辺は一変した。
魔力鑑定の結果、微力ながら聖なる力があるとわかったのだ。
『コリーン様の力はまだ微力です。神殿で力を高める訓練を行ったほうがいいでしょう』
コリーンに聖なる力が目覚めたという話はすぐに国王の耳にも届く。
『クロヴィスと婚約しろ。そうすれば神殿ではなくこちらにおいてやる。ウリヤナを見てみろ。神殿で力を高めるどころか、力を奪われた。その力を守りたければ、ここにいたほうがいいのではないのか?』
ウリヤナが神官たちに言われるがまま、聖なる力を使っていたのは知っていた。その結果、力がなくなってしまったとは知らなかった。
だからコリーンは神官たちの言葉には従わなかった。
それでもクロヴィスはウリヤナを手放そうとはしなかった。力を失ったとしても、彼はウリヤナを望んでいた。
コリーンはせっかく目覚めた聖なる力を守りたかった。それに、クロヴィスの婚約者という魅力的な地位もある。そこにおさまれば、未来の王太子妃だ。
聖女であって王太子妃。誰もが羨ましがるような状況に手が届きそうであった。
『聖なる力は近しい人間に移るとも言われています。一度、神殿で魔力鑑定を受けてもらえませんか?』
その一言がきっかけとなり、コリーンの周辺は一変した。
魔力鑑定の結果、微力ながら聖なる力があるとわかったのだ。
『コリーン様の力はまだ微力です。神殿で力を高める訓練を行ったほうがいいでしょう』
コリーンに聖なる力が目覚めたという話はすぐに国王の耳にも届く。
『クロヴィスと婚約しろ。そうすれば神殿ではなくこちらにおいてやる。ウリヤナを見てみろ。神殿で力を高めるどころか、力を奪われた。その力を守りたければ、ここにいたほうがいいのではないのか?』
ウリヤナが神官たちに言われるがまま、聖なる力を使っていたのは知っていた。その結果、力がなくなってしまったとは知らなかった。
だからコリーンは神官たちの言葉には従わなかった。
それでもクロヴィスはウリヤナを手放そうとはしなかった。力を失ったとしても、彼はウリヤナを望んでいた。
コリーンはせっかく目覚めた聖なる力を守りたかった。それに、クロヴィスの婚約者という魅力的な地位もある。そこにおさまれば、未来の王太子妃だ。
聖女であって王太子妃。誰もが羨ましがるような状況に手が届きそうであった。