あなたの子ですよ ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~【短編版】
「礼を言うなら、俺のほうだ。こんなに可愛い子を授けてくれてありがとう。俺は……子を望めないと思っていたからな」
彼はどこか苦しそうに言葉を吐いた。すると、ひくひくと赤ん坊の瞼が動きだす。
「お、目を開けるのか?」
なぜかレナートの声が期待に満ちている。
「きちんと顔を見て、名前を考えような」
彼の声に導かれるかのようにして、赤ん坊はぱっと目を開けた。どこか焦点の合っていないような目は、光が当たるとはっきりとした金色に見えた。
「金色の目……イングラム国の王族の証……」
ウリヤナがこぼした言葉に、レナートも反応する。
こうなるだろうとウリヤナもレナートも思っていた節はある。そう思っていても、口にしなかっただけで。
彼女は静かに目を伏せる。
「ウリヤナ。何度も言うが、この子は俺の子だ。俺と瞳の色が異なっていたとしても、俺の魔力と馴染んだこの子は、俺の子に違いはない」
「はい……」
ウリヤナも赤ん坊の拳に指を近づけた。赤ん坊は、ぎゅっと母親であるウリヤナの指を握りしめる。
「お披露目会にはイングラムの王太子も招待しような……」
「はい……」
彼はどこか苦しそうに言葉を吐いた。すると、ひくひくと赤ん坊の瞼が動きだす。
「お、目を開けるのか?」
なぜかレナートの声が期待に満ちている。
「きちんと顔を見て、名前を考えような」
彼の声に導かれるかのようにして、赤ん坊はぱっと目を開けた。どこか焦点の合っていないような目は、光が当たるとはっきりとした金色に見えた。
「金色の目……イングラム国の王族の証……」
ウリヤナがこぼした言葉に、レナートも反応する。
こうなるだろうとウリヤナもレナートも思っていた節はある。そう思っていても、口にしなかっただけで。
彼女は静かに目を伏せる。
「ウリヤナ。何度も言うが、この子は俺の子だ。俺と瞳の色が異なっていたとしても、俺の魔力と馴染んだこの子は、俺の子に違いはない」
「はい……」
ウリヤナも赤ん坊の拳に指を近づけた。赤ん坊は、ぎゅっと母親であるウリヤナの指を握りしめる。
「お披露目会にはイングラムの王太子も招待しような……」
「はい……」