あなたの子ですよ ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~【短編版】
「子を宿しているんだろう?」
ウリヤナは眉間に力を込めた。
「え?」
「なんだ。気づいていなかったのか? お前の腹から微力ながら魔力を感じる。胎児の魔力だな」
頭の中が真っ白になった。
「おい、大丈夫か?」
気づけば、目の前にレナートの顔があった。鋭い目つきは変わらないが、その奥には優しい光が灯っている。ウリヤナが倒れないようにと、ぎゅっと抱きしめていた。
「立ったままでは危ないな。こちらに運ぼう」
「きゃっ」
不意に抱き上げられ、自分のものとは思えない声を発してしまった。
ぽすんとソファの上におろされる。
「もしかして、俺。まずいことを言ったか?」
口元を手で押さえながら、困ったようにウリヤナを見下ろしていた。
「その、知らなかったのです。子どもを授かったことを。レナート様は魔術師なのですか?」
こうやって側にいるだけで、ウリヤナの体内の魔力を感じ取ったのだ。それなりの使い手なのだろう。
「ああ、そうだ。俺はローレムバの人間だからな」
ローレムバには魔術師が多いと聞く。
ウリヤナは眉間に力を込めた。
「え?」
「なんだ。気づいていなかったのか? お前の腹から微力ながら魔力を感じる。胎児の魔力だな」
頭の中が真っ白になった。
「おい、大丈夫か?」
気づけば、目の前にレナートの顔があった。鋭い目つきは変わらないが、その奥には優しい光が灯っている。ウリヤナが倒れないようにと、ぎゅっと抱きしめていた。
「立ったままでは危ないな。こちらに運ぼう」
「きゃっ」
不意に抱き上げられ、自分のものとは思えない声を発してしまった。
ぽすんとソファの上におろされる。
「もしかして、俺。まずいことを言ったか?」
口元を手で押さえながら、困ったようにウリヤナを見下ろしていた。
「その、知らなかったのです。子どもを授かったことを。レナート様は魔術師なのですか?」
こうやって側にいるだけで、ウリヤナの体内の魔力を感じ取ったのだ。それなりの使い手なのだろう。
「ああ、そうだ。俺はローレムバの人間だからな」
ローレムバには魔術師が多いと聞く。