あなたの子ですよ ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~【短編版】
ザフロス辺境伯は、一年ほど前にイングラム国を訪ねてきた。それは聖女の力を貸してほしいという理由によるものだった。
それを一蹴したのはイングラム国王である。それが原因で、今ではローレムバ国の協力を得られない。
だが、この招待を断るわけにはいかないだろう。ローレムバ国とは仲良くしておきたいのだ。
「これは。私宛にきているが、父上にも?」
その言葉にアルフィーは「わかりません」とでも言うかのように首を振る。
「出席の連絡を……」
「コリーン様は?」
アルフィーの言葉に戸惑う。
コリーンは、王城の私室に引きこもっている。連日届く嘆願書に怯えるかのようにして、部屋から出てこない。
国王は、クロヴィスとコリーンの結婚を早めるようにと急かしているが、クロヴィスがそれを引き延ばしていた。
このまま彼女と結婚をしていいのだろうか。そう思いつつも結婚するしかないのだろう。
「あれでも私の婚約者だからな。連れていく」
外に連れ出せば、コリーンの考えも変わるかもしれない。
クロヴィスはそう思っていた。
それを一蹴したのはイングラム国王である。それが原因で、今ではローレムバ国の協力を得られない。
だが、この招待を断るわけにはいかないだろう。ローレムバ国とは仲良くしておきたいのだ。
「これは。私宛にきているが、父上にも?」
その言葉にアルフィーは「わかりません」とでも言うかのように首を振る。
「出席の連絡を……」
「コリーン様は?」
アルフィーの言葉に戸惑う。
コリーンは、王城の私室に引きこもっている。連日届く嘆願書に怯えるかのようにして、部屋から出てこない。
国王は、クロヴィスとコリーンの結婚を早めるようにと急かしているが、クロヴィスがそれを引き延ばしていた。
このまま彼女と結婚をしていいのだろうか。そう思いつつも結婚するしかないのだろう。
「あれでも私の婚約者だからな。連れていく」
外に連れ出せば、コリーンの考えも変わるかもしれない。
クロヴィスはそう思っていた。