あなたの子ですよ ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~【短編版】
クロヴィスの声にコリーンはピクリと身体を震わせた。必死にしがみついて、顔を伏せている。
「殿下も疑っておられましたよね? コリーン様の力が偽物なのではと」
「……じゃない……。偽物、じゃない……」
「そうおっしゃるのなら、力を使ってこの状況をなんとかしたらいかがですか?」
アルフィーの声色は穏やかであるのに、どこか怒気が込められている。
「力を使ったら、なくなるの。陛下がそうおっしゃった。ウリヤナは、力を使い過ぎて力を失ったって……」
「そんな陛下の戯言を、あなたは信じていたと?」
アルフィーが素早く、剣を抜いた。その剣先はクロヴィスに向かっている。
「何を?」
「コリーン様の力を証明してもらいましょう」
剣先がクロヴィスの頬を撫でた。
痛みが走り、つつっと何かが頬を濡らす。
「聖女様。大事な婚約者の顔に傷ができましたよ? 聖なる力で早く治してください」
「無理、無理……無理なのよ」
コリーンが立ち上がる。
「コリーン様」
「無理、無理なの。私、もう……」
「殿下も疑っておられましたよね? コリーン様の力が偽物なのではと」
「……じゃない……。偽物、じゃない……」
「そうおっしゃるのなら、力を使ってこの状況をなんとかしたらいかがですか?」
アルフィーの声色は穏やかであるのに、どこか怒気が込められている。
「力を使ったら、なくなるの。陛下がそうおっしゃった。ウリヤナは、力を使い過ぎて力を失ったって……」
「そんな陛下の戯言を、あなたは信じていたと?」
アルフィーが素早く、剣を抜いた。その剣先はクロヴィスに向かっている。
「何を?」
「コリーン様の力を証明してもらいましょう」
剣先がクロヴィスの頬を撫でた。
痛みが走り、つつっと何かが頬を濡らす。
「聖女様。大事な婚約者の顔に傷ができましたよ? 聖なる力で早く治してください」
「無理、無理……無理なのよ」
コリーンが立ち上がる。
「コリーン様」
「無理、無理なの。私、もう……」