卒業式の告白を叶えたい元教え子に、こじらせ先生は溺愛される~再会は深愛の始まり
「うちのお店が流行ってるし、その喫茶店の一角で店を開放して、勉強が出来る環境にしてるって噂を聞いて、興味があって見に来たんだって」
「そうなんだ」
「それで、この先、店舗を増したい話とかしたら、いつでもコンサルしてくれるって」
「そ、そう。でもコンサル料って高いでしょ」
「新庄先生の知り合いの相談に乗ることだから、ただでいいって」
「ただっ?」
「あんたのおかげよ。先生にはお世話になったからって。あぁ、これから頻繁に来るから、その時のコーヒー代はご馳走して下さいって。安いもんよ」
「もう、美和は・・・」
「あの子かぁ。お嫁さんにしてあげる発言の子」
「もう、本人も覚えてないよ。それに私をよくからかっていたから」
懐かしいなぁ。
北見くん達と過ごしていた時が、一番楽しかったなぁ。
「まぁ、いい男だし、奈菜も独身だし、いいんじゃない?」
「もう、10年近く前の話だよ。それに私、5歳も年上なのに」
「私が結婚してなかったら、すぐ好きになるけど」
「私は、やっぱり男性が怖いよ」
私を好きになってくれる人なんて、現れないのかも・・・
私が本気で、誰かを好きになることも無いかも知れない。
まぁそれでも別にいいや。

その時はそう思っていた。
でも、その思いは意外にも早く打ち砕かれる事になるなんて・・・
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