卒業式の告白を叶えたい元教え子に、こじらせ先生は溺愛される~再会は深愛の始まり
「・・・帰りたくない」
お姉さんは、だだをこねて、横を向いた。
「姉貴、全部姉貴の勘違いだ。兄さんは、誘いを断って、姉貴と食事に行くつもりだったんだ。それを姉貴が早とちりして、勝手に落ち込んでただけだから」
「ほ、ほんとに?」
西沢さんは立ち上がって、お姉さんの肩を抱いて、
「京子、悲しい思いさせて悪かった」
その言葉を聞いて、お姉さんは西沢さんの肩で泣いていた。
「耀くん、奈菜さん、遅くに悪かったね。耀くん。さっきの件は、今度事務所で話そう」
「はい。姉貴を宜しくお願いします」
「あぁ」
「耀、奈菜ちゃん、ありがとう」
お姉さんは、西沢さんに寄り添い、2人は部屋を出て行った。
今日は、愛する人達が、真実の愛を確かめる、素敵なクリスマスになった。
「奈菜・・・疲れたね」
「そうだね。あぁ、私、片付けるから、先、横になってていいよ」
「うん、じゃあ、先にベッドに行くね」
私は後片付けをし、部屋を整えたあと、ベッドに向かった。
ベッドを見ると、耀は、私の枕を抱えて寝ている。
可愛い。
私はソファからクッションを持って来て、横になった。
耀、今日の西沢さんの話、凄く喜んでた。
お姉さんは西沢さんと一緒に仕事をしているから、支え合っている。
羨ましい。
私も、耀の支えになりたい。
経営のこと、勉強してみようかな。
私は、耀の頭を撫でながら、2人の将来を夢見ていた。
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