卒業式の告白を叶えたい元教え子に、こじらせ先生は溺愛される~再会は深愛の始まり
胸がいっぱいになり、涙が零れ落ちる。
そのあとに、1枚の写真が映し出された。
体育館で私と耀が2人向き合っている写真・・・
これって・・・
卒業式の日、耀が私に、約束を伝えてくれた瞬間だ。
その写真が静かに消えていくと、最後に全員の顔が映し出されて、
「新庄先生、北見くん。ご結婚、おめでとー!」
そう括られて、映像が終わった。
耀を見ると、瞳が潤んでいた。
「これで、俺達からのプレゼントは終わりになります。最後に、耀が、本当ならあの頃に叶えたかっただろうことを、ここで実現してもらいましょう」
「な、何だよ、今度は」
1人が眼鏡を持って来て、私に掛けた。
「はい、あの頃の新庄先生です!高校生の耀は、先生に告白したくても出来ませんでした。ここで、その夢を叶えましょう!」
すると、手拍子に合わせて、「キース、キース」とキスコールが響き亘った。
「お前らなぁ・・・」
耀は、困った顔をしながらも、私に近づいてきた。
「せっかくだから、あいつらに乗ろうか」
耀は、私の肩に手を置いて、
「大好きだよ、新庄先生」
そう言って、私にキスをした。
「ヒュー!!!はい、ありがとうございました!以上、バスケ部一同でした!」
「せーの、新庄先生!耀!ご結婚、おめでとぉー!」
お祝いの言葉と同時に、花びらを私達に降らし、皆の想いが、私達を包み込んだ。

感動の結婚式が終わった夜。
その日はホテルに泊まり、明日家に戻ったあと、明後日から新婚旅行に出発する日程にした。
お風呂も入り、寝る準備をして、大きなベッドに横たわった。
「賑やかな結婚式になったね」
「あぁ、でも、最高の結婚式だったよ」
「うん、胸がいっぱいだよ。明日は旅行の準備があるし、そろそろ」
『寝ようよ』と、言いかけた時、
「奈菜、今日は一生に1度の新婚初夜だね。まさか、寝ないよね」
寝ようと思ってたよ。だって凄く疲れたもん。
なんて、熱を帯びた耀の瞳に見つめられると、本心を言える雰囲気じゃなさそう・・・
「う、うん。ま、まさか寝ようなんて、ねぇ・・・」
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