過去の名君は仮初の王に暴かれる
「……ろ、ロレシオ様、これイヤっ!」
「大丈夫だ。すぐに良くなる」
ロレシオは身もだえするエルゼの秘所に指を添わせる。
その指はどこまでも丁寧で、まるで怯える子猫をあやすような手つきだった。指の腹で何度かやさしく縦筋を撫でると、ぴっちりと閉まっていた花弁がぐずぐずと蕩け始める。まるで、触られるのを今か今かと待ち望んでいたかのように。
秘裂をなぞっていた指が、慎重にゆっくりとその場所を拓いていく。中にたまっていた蜜が、とろりと溢れてシーツを濡らした。
「あっ……!」
「……濡れているな」
ふっと目を細めたロレシオは蜜を指の先で掬い、入り口を撫で、敏感な部分を探り当てる。すっかり尖った花芯に触れられると、エルゼは声にならない悲鳴をあげた。
「あっ、……ああっ、ああ――っ……!」
「ここか。君は分かりやすい」
ロレシオの右手が、恥核の根元の部分を優しく擦り上げ、しこった部分をぐにぐにと潰し、指の先ではじく。その手は、エルゼの感じる場所を身体の隅から隅まで全て知り尽くしているようだった。
「ああっ、……あっ……ああぁっ!!」
エルゼはもはや自分の嬌声など気にしていられない。腰の奥底に、経験したこともないようなどろりとした快楽が溜まっていく。
その間に、もの欲しげにヒクヒクとしていた孔をふさぐようにして左手の指が一本ぐぽりと挿入された。経験の浅い彼女の隘路が、抵抗しながらもその指を飲み込んでいく。
「キツいが……、挿入ったな」
「それ、……それ、だめ……ああっ……!!」
内部からの刺激にエルゼは首を振るものの、節くれだった長い指はエルゼの蜜路を擦り上げ、陰核を執拗に刺激する。
エルゼの意識が一瞬遠くなる。生熟れの彼女の身体には、いささか凄烈すぎるほどの刺激。しかし、逃げようにもあまりの快楽に抵抗する力すら残っていない。
内部に含まされる指がゆっくりと増やされた。どろどろとエルゼの中から愛液がこぼれていく。
「ロレシオ、さまぁっ……! なんか、なんかキちゃ……、うっ!」
「エルゼ……」
「ああ、あああああ――っ!!!」
ついに限界を迎えたエルゼの瞼の裏で、白い光がはじけた。