過去の名君は仮初の王に暴かれる
その瞬間、ロレシオはぐいっとエルゼの腰を引き寄せた。肉襞は強制的に拓かれ、牡竿がついにエルゼの最奥まで届く。息を詰めたエルゼの身体に衝撃が走った。
「あっ……、はぁ……っ」
身体中の血が沸騰したように熱い。遅れて、驚いた蜜壺がきゅうきゅうとロレシオを締め付けた。そのせいで、含まされた肉棒の大きさがまざまざと分かってしまう。
「ぐっ……、覚悟はしていたつもりだったが、相変わらず、キツい……」
ロレシオがうめき声に近い吐息を漏らす。エルゼの中で、長大な肉茎が物欲しげに脈打つ。暴れまわりたいのを、必死にこらえているのだろう。
「痛くは、ないか?」
「はい……。だいじょぶ、です……」
「それならば、動くぞ。少し痛いかもしれないが、許してくれ」
ロレシオは少しずつ腰を動かし始めた。焦れるほどゆっくりな動きは、経験の少ないエルゼに少しずつ快感を教えていく。
挿入るときは、入り口近くの敏感な場所をなぞりあげ、隘路の粘膜にくまなく快感を植えつけながら最奥へ。子宮口近くではコリコリとした部分をたっぷりといじめあげ、たまらずエルゼが声を漏らすと、ロレシオはわざとゆっくりと腰を引いた。
ロレシオの抽送は執拗で、エルゼの身体は焦れったい欲を覚え始める。――さらに奥に、強い刺激がほしい。
「はぁ……。ああ………、ろれし、お……」
ついにエルゼはロレシオの手をおずおずと掴んだ。名前を呼ばれたことに反応したのか、どくりと内部にある肉棒が凶暴に膨れ上がる。
「……どうした、エルゼ?」
聞く声はどこまでも優しく、そして官能の響きを帯びていた。エルゼは逡巡する。もっと強い刺激が欲しいと言えば、ロレシオは淫乱な女だと呆れるかもしれない。しかし、身体は明らかにいま以上の刺激を望んでいる。
エルゼが何も答えられずにいると、ロレシオはもう一度焦らすように身体をゆすった。たまらずエルゼはロレシオの手をぎゅっと握って嬌声をあげる。
「ひゃぁああっ……」