過去の名君は仮初の王に暴かれる
「……エルゼ、どうしてほしい?」

 ロレシオの問いに、エルゼはイヤイヤと首を振った。しかし、さらにもう二、三度ロレシオに焦らされ、ついに甘い誘導に耐えきれなくなったエルゼは真っ赤になって厚い胸にすがりつく。

「……もっと」
「もっと、なんだ?」
「……おねがい、……もっと、ほしいの……。ロレシオの、あったかいの……」
「……予想以上だ。こんな可愛らしいおねだりをされたら、こっちも我慢がきかなくなるんだが」

 ロレシオが困ったように笑ったその瞬間、肉竿の尖端がぐいっとエルゼの快いところをえぐった。股関節が軋むほどにたくましい身体が打ち付けられ、余すところなくエルゼの胎内に雄芯が含まされる。
 激しい快感が濁流のようにエルゼを襲った。

「んはぁ、……ぁあああ、んっ!」

 エルゼは半ば悲鳴のような嬌声をあげた。一瞬意識が遠くなり、目の前に無数の星が散る。
 そこからのロレシオは容赦がなかった。ぐぷぐぷと音をたてて入り口を焦らしたかと思えば、子宮口を押し拓くような勢いで激しく腰をグラインドさせ、エルゼを喘がせた。
 ぱん、ぱん、という肌と肌がぶつかる音が響く。それまでの抑制をかなぐり捨てたロレシオは、エルゼを本能のままに愛した。

「あ、ひっ……! ああああーッ!!」

 一際甲高い嬌声をあげ、仰け反って逃げようとするエルゼの尻を、ロレシオが掴む。

「逃げるな」

 抑えた声がそう告げた途端、ロレシオはエルゼの膝の裏を抱くようにして身体を密着させ、さらに奥へと自身を突き刺した。
< 48 / 51 >

この作品をシェア

pagetop