好きになってよ、俺のこと。
好きになってよ、俺のこと。
♯1
「……フラフラする」
普段からなぜか貧血になりやすい私は、学校の昼休み、保健室へと向かっていた。
──ガラガラ。
「あら、中城さん。今日も具合悪いの? そこで寝てて良いわよ」
高校に入学して1ヶ月と少し。
保健室の常連になりつつある私を、養護教諭の先生はすんなりと受け入れてくれた。
私は、保健室の窓際のベッドへと横になる。
「おやすみなさい」
それからすぐに、眠りについた私だったが。
保健室がオレンジ色に染まる頃。
「ん……」
ふと身体に重みを感じ、意識が浮上する。
あれ、何だろう。身体がやけに重いような。
目が覚め、まぶたを開けると──。
金髪の端正な男の子の顔がすぐそばにあり、私は馬乗りにされていた。
え!? 何、この状況……!
ていうか、だ、誰!?
びっくりしすぎて声も出せずにいると、男の子は艶やかに口元を上げた。
「キミ、すごく良いにおいだね」
彼の長い指が私の首筋をなぞり、小さく震える。
「ねぇ、お腹空いたんだけど。キミの血を俺にちょうだい?」
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