好きになってよ、俺のこと。
……まさか、手伝ってくれるなんて。
放課後。都輝くんが私と一緒に職員室までプリントを取りに行き、都輝くんは教室までプリントを全部一人で運んでくれた。
そして今、教室で私は都輝くんと向かい合わせで座り、一緒にプリントのホチキス留めをしている。
──パチッ。
3枚のプリントをホチキスで留めていく。
「ごめんね、都輝くん。手伝ってもらっちゃって」
「全然。一人より、二人でやったほうが早いでしょ?」
「ありがとう、都輝くん……痛っ」
プリントを捲るときに、私は指を切ってしまったらしい。
切れた指先からは、少しだけど出血している。
傷自体は大したことないけれど、ヒリヒリと痛む。
水で、指を洗い流さなきゃ。
そう思い、私が椅子から立ち上がったとき。
腕を都輝くんに掴まれてしまった。
「つ、都輝くん……?」