好きになってよ、俺のこと。


それから残りのプリントのホチキス留めをし、都輝くんが手伝ってくれたお陰で早く終わらせることができた。


プリントの枚数を確認し、職員室までプリントを持って行った私たちは、一緒に帰ることに。


「亜実ちゃんって、徒歩通学?」

「うん。家まで歩いて15分くらいかな」


都輝くんは学校を出てからずっと、私の歩幅に合わせゆっくりと歩いてくれている。


「そっか、近いね」

「うん。家から一番近いっていう単純な理由で、月森学園を選んだの。まさか、吸血鬼の通う学校だなんて知らなくて驚いたけど」


茉世ちゃんから、月森学園は人間と吸血鬼の通う学校だと教えられてもうすぐ1ヶ月。


専属契約とか、人間の学校と違って色々と戸惑うことも多いけれど。


「でも、この学園に来たお陰で、吸血鬼の茉世ちゃんや都輝くんとも出会えたんだって思うと、それはそれで良かったなって思うの」


って、都輝くんの前で私は何を言ってるんだろう。


「亜実ちゃん……っ」


都輝くんのほうに目をやると、なぜか瞳をウルウルさせている。


「え!? どっ、どうしたの都輝くん」


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