好きになってよ、俺のこと。
翌日。
「ちょっと茉世ちゃん、聞いて〜」
朝のホームルーム前。
私は登校してすぐ、クラスメイトで友達の茉世ちゃんに昨日の保健室でのことを話す。
「姫とか、訳分からないんだけど。牙も見せられたし」
「え。ちょっと、亜実。それはやばいって」
「そうでしょう。吸血鬼なんて怖いよね」
「違う違う。やばいのはその男じゃなくて、亜実のほうだよ」
え?
「わ、私!?」
うんうんと頷く茉世ちゃんに、私は首を傾ける。
「なっ、なんで?」
「なんでって亜実、もしかして知らないの? この学園のこと」