好きになってよ、俺のこと。
あれから、1週間。なんとなく都輝くんとは、気まずくなってしまっていた。
あの日以来、私は都輝くんへお弁当も作らなくなり、一緒にお昼ご飯を食べるどころか、学校でも話さなくなってしまった。
「神山くん、最近顔色良くないね」
「なんか、日に日に顔色が悪くなっていってない? 大丈夫かな」
クラスの女子が、廊下をふらふらと歩く都輝くんを見て話している。
「神山くん。あれは多分、人の血をしばらく飲んでないんじゃないのかな?」
茉世ちゃんが、都輝くんを見て推測する。
「吸血鬼って、人の血が絶対的な栄養素でね。飲まないと、数日で死ぬって言われてるの。神山くんは普通の吸血鬼よりも強いから、まだ生きてるけど。このままじゃやばいよ」
このままじゃやばい、か。
茉世ちゃんに言われて、私は廊下を歩く都輝くんを見る。
いつも色白の顔が、更に白くなっている気がする。というか、青白い。