好きになってよ、俺のこと。
「ほんと、良い香りだね。それじゃあ、このハンドクリームと入浴剤にしようかな」
東くんがお会計へと向かい、しばらくしてラッピングされた袋を持って店外に出てきた。
「中城さんのおかげで、今日は良い買い物ができたよ。ありがとう」
「こちらこそ、クレープをご馳走になってありがとう。少しでも東くんの役に立てたのなら良かった」
クレープを食べて、お目当ての誕生日プレゼントも買ったから、そろそろお開きかなと思っていたら。
「あのさ、中城さん。僕、もうひとつだけ寄りたいところがあるんだけど……良いかな?」
スマホで時刻を確認すると、16時30分になるところだった。
「そこ、女性のお客さんが多いショップで。僕一人じゃちょっと行きにくいっていうか……」
「うん、そういうことなら付き合うよ」
クラスメイトの頼みだもん。私にできることなら、協力してあげたい。
「ありがとう、中城さん。それじゃあ、僕についてきてくれる?」