好きになってよ、俺のこと。
「どうなるのって、そんなの決まってるじゃない。退学だよ。た・い・が・く」
「た、退学!?」
去年、死に物狂いで毎日必死に勉強して、せっかく受かった高校なのに。
たった1年で退学になるなんて、冗談じゃない。
「退学なんて、そんなの嫌だ!」
「だったら、誰かと専属契約するしかないね」
「誰かと……。ちなみに、茉世ちゃんは?」
誰かと契約したのだろうか。
「え、あたし? あたしはね……」
茉世ちゃんがちらっと目配せすると、彼女のもとにクラスメイトの平手くんがやって来る。
「平手くん、ちょっとごめんね」
すると、すぐさま彼の首筋に顔を埋める茉世ちゃん。
え!?
「ああ、美味しい」
そう言って爽やかに顔を上げた彼女の唇からは、赤いモノが滴る。
「まっ、茉世ちゃん?!」
その赤いのってもしかして、血じゃ……。
あまりの衝撃に、プルプルと震える私。
「ああ、ごめん。亜実には言ってなかったんだけど、実はあたしもヴァンパイアなんだ」
「えええーっ」
まさかの友人の告白に、私はここが教室だということも忘れて大絶叫してしまった。