好きになってよ、俺のこと。
「それじゃあ亜実ちゃんが、俺のことを好きになってくれたら良いんでしょ?」
「えっ、いや、そういう問題では……」
「ねぇ。亜実ちゃんも好きになってよ、俺のこと」
そ、そんなこと言われても、こればっかりは……。
「俺、亜実ちゃんのこと本気で好きなんだよね。だから、そんな簡単に諦められるわけないじゃない」
吸血鬼くんは、私の顎をくいっと指で持ち上げる。
「俺から離れられなくなるくらい、これからたくさん愛してあげるから。覚悟してて」
そう言うと、彼は私の唇にそっとキスをした。
「え、ちょっ、今の私のファーストキス……」
「へぇ、それは光栄だな。キミの一番になれて嬉しいよ」
「なっ、なんであなたと……」
「“あなた”じゃなくて。俺の名前は、都輝。神山 都輝。覚えててね。
でないとキミの唇……また塞いじゃうよ?」
「……っ」
「よろしくね、亜実ちゃん」
なぜか、イケメン吸血鬼に好意を寄せられてしまった私。
これからの学園生活、悪い予感しかしない。